ちょっと面白い記事を読んでしまったので、今日はそのお話を書いてみます。
原典に当たる程ではないお話なので、面白話としてご紹介します。
そうはいっても、この話の出典は、BMJオンライン2024年12月20日号。
BMJは、英国医師会のオフィシャル誌ですから、一応根も葉もある話と言っていいと思います。
バズワイヤーゲームというのは、私は初耳ですが、金属ループを巻いた棒を、曲がりくねった金属ワイヤーに触れないように経路の端から端まで動かす というゲーム。
ループがワイヤーに触れるとブザーが鳴り、スタート地点に戻らなければならない。
無事一度もブザーが鳴らずに、端まで行けたら完了。
2024年6月25日~7月16日の3週間、イギリスのリーズ教育病院NHSトラストで、参加者を募集し、バズワイヤーゲームによって、手先の器用さを評価する前向き観察研究を行った。
参加者は、内科医 外科医 看護師 非臨床スタッフ(病棟クラーク 秘書 内部職員)
集計としては、5分以内に、バズワイヤーゲームを完了した参加者の割合 イギリスのテレビで午後9時以前の放送には、不適切と定義されている不快な言葉やため息 うめき声 つぶやき 等のいら立ちの声を発した参加者の割合。
計254人のスタッフが参加し、内訳は内科医60人 外科医64人 看護師69人 非臨床スタッフ61人。
結果は、5分以内にバズワイヤーゲームを完了した参加者の割合は、外科医84% 内科医57% 看護師54% 非臨床スタッフ51%で、外科医が有意に高かった。(p<0.001)
外科医は他の集団と比較して、年齢や性別に関係なく、ゲーム完了までの時間は最も短かった。つまり器用といえる。
一方ゲーム中に不快な言葉を発した参加者の割合は、外科医が50%で最も高く、次いで看護師30% 内科医25% 非臨床スタッフ23%の順。
また苛立ちの声を発した参加者の割合は、非臨床スタッフが75%と最も高く、次いで看護師68% 外科医58% 内科医52%の順。
眼科医は、外科系でかつもっと繊細な場所を扱うので、外科系の中で科を細分化すると、また面白い結果がでそうですが、このペーパーの著者は、器用さとストレス管理の両方を強化するために、ファミリーゲームを取り入れることが有用化もしれないこと。
今後の募金活動では、外科医の不快な言葉への罰金箱の実施を検討するべきと述べています。
外科医の先生のご意見も伺いたいところですが、単なるゲームでここまでエキサイトするなら、実際の手術ではどうなのかと心配になりますが、いら立ちの声はあまり高くなかったので、逆に冷静沈着に静かに手術されるのかどうか ともかく罰金箱までは用意する必要はない とは思います。
でも確かに、外科医だった我が旦那には、いい点も悪い点も全てが該当していたような気がします。