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白内障・網膜硝子体・緑内障・涙道・斜視の日帰り手術専門クリニック
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白内障の疫学

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2024/03/28担当:山本 洋子
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白内障の治療法がほぼ確立されているため、昔のようにどのような人がなりやすい とか、環境要因とかはあまり云々されなくなってきました。

 

たまたま読んでいた資料に、久しぶりにまとまった記述がありましたので、ご紹介します。

 

ソースは、慶応大学病院が一般の方にも読みやすい文章で公開している健康サイトがありますが、その中での白内障にまつわる記述です。

 

今日の主眼は疫学ですから、それに該当する部分をピックアップしてみます。

 

白内障は多因性の病気で、まずは個人要因です。

 

一番は加齢。そして女性は男性に比べ白内障になるのが早い。女性ホルモンの影響。

 

加齢は当然ですが、年齢別の有病率は、50代 40~50% 60代 70~80% 70代 84~97% 80代 100%

 

これは初期の混濁も含まれているとのことですが、患者さんを診ていて私の体感とも合致します。

 

大方の医者がそうだと思いますが、来院の理由が視力にまつわるものでなく、視力があまり悪くない場合は、わざわざ白内障が始まっている ということを伝えることはありません。

 

もちろん尋ねられたら、お答えします。

 

逆にごくまれに90代でもほとんど濁りのない水晶体を、診察する機会があり、その際にはほとんど白内障が無いとお伝えします。

 

また遺伝というのも実は関係しています。

 

それは双子の白内障の進行を調べた研究から、明らかにされています。ただ昔と違い、遺伝的要素が有ろうとなかろうと、長寿国日本においては、高齢になるにつれ、増加していくことはもう当然のことです。

 

次に環境要因です。

 

喫煙 紫外線 糖尿病 ステロイド内服 肥満との因果関係がはっきりしています。

 

こういう環境要因に共通することは、要因にさらされる量が多いほど、白内障になる危険が増すということです。

 

つまり喫煙量が多いほど 紫外線に当たる量が多いほど 糖尿病の血糖値が高くその期間が長いほど 白内障になりやすい。

 

肥満もBMIが30を超える肥満は、白内障になりやすい。

 

高血圧や飲酒については、確定的な原因とは考えられていません。

 

それ以外に、眼の炎症であるブドウ膜炎や眼の手術の既往歴があることや、先天性のものなどが原因となります。

 

治療法が確立されたということは、とても素晴らしいことで、原因が何であれ、治療は安定した結果が出せるようになり、そのために話題になることもほとんどなくなってきましたが、こういう話も懐かしいなと思います。