暖冬とはいえ、1月 2月は暖房を入れる機会が多くなり、ドライアイの患者さんが増えます。
私の診察室の真上に埋め込み式のエアコンがついており、一日温風にさらされています。
この環境に慣れるまでは、角膜というより、顔の皮膚がボロボロに剥けて、痛くはないですが、みっともない状況に陥っていました。
マスクのおかげか、面の皮が厚くなったのか、最近はそういうことも無くなりましたが、ドライアイの傾向がある人にとっては、過酷な環境といえるでしょう。
環境要因もあるものの、同じ環境にいても乾燥感や角膜の傷のつき具合というのは、とても個体差があります。
環境を整えるだけでは、ドライアイを改善するのは難しい理由です。
ドライアイの治療薬は、この数年の間にだいぶ選択肢が増えました。
かなり以前には、マイティアや防腐剤の入らないソフトサンティア 位しかなく、環境整備を強調せざるを得なかったと思いますが、その後ヒアレイン点眼が処方薬として発売され、大変評判が良かったことをつい最近のように思いだします。
ヒアルロン酸が主成分で、多くの医療分野で、安全で安価に使える保水性のある粘弾物質として、眼科のみならず美容外科や整形外科 皮膚科領域でも使われるようになりました。
眼科領域では、ついにこの点眼薬もOTC医薬品となり、処方箋なしでも薬局で買うことができるようになりました。
わざわざ眼科に行かなくても、濃度の薄い0.1%だけとはいえ、買うことができます。
市販薬のヒアレインSとして販売され始めた時、眼科ではかなりもう歴史あるつまり古い薬となっていたわけですが、宣伝効果はすばらしく、わざわざパッケージをもって来院し、この薬が欲しいという患者さんがいたことには驚きました。
処方薬には、0.3%の濃いめのヒアレインもありますが、市販はされていません。
医療機器のみならず、薬品もどんどん新陳代謝しています。
市販薬が処方薬を超えることは残念ながらありません。
ジクアス点眼 ジクアスLX点眼 ムコスタ点眼 レバミピド点眼 どんどん改良された処方薬が出てきています。
万能ではありませんが、忙しくてもドラッグストアの薬だけでは改善しない場合、眼科で処方された点眼薬を使用してみるのも一考に値すると思います。
また点眼薬だけで改善しない場合、涙点プラグの治療や涙点焼灼 といった治療も必要となる場合があります。
まずはお近くの眼科に相談してみることをお勧めします。