以前帯状疱疹のことや、ワクチン接種について、わりと詳しく、このブログでも書いたことがあります。
目の周りの病気 という項目に入っていますので、参照していただくとよいのですが、今回そのワクチンの中でも、生ワクチンではなく、組み換え不活化ワクチン(シングリックス)の2回接種者と1回接種者の4年間の有効性についての報告がありました。
シングリックスは、2020年1月の発売ですので、国内における成績はまだ出ていませんが、これは米国における実臨床の結果です。
調査法は、予防接種を受けた人(その中でも1回と2回を区別)と受けていない人に対して、帯状疱疹に罹患して抗ウイルス薬を処方された人数を調査することにより、罹患率を算出したものです。
予防接種を受ける人は、全員50歳以上ですから、50代以上の人が調査対象となっています。
調査対象者は約200万人。
1回接種と2回接種の有効率の違いは、接種後1年未満は、1回は70% 2回は79%とあまり違いはありませんが、2年未満は45%対75% 3年未満は48%対73% 3年以降は52%対73%。
臨床試験では、2回接種の有効率は97%ということでしたから、それよりは実臨床では低いものの、4年間の追跡期間中は、ほとんど低下しなかったので、2回接種は非常に有効という結論になっていました。
一方1回接種の有効率は、1年後には大きく低下しているので、やはり1回接種より2回接種が望ましい。
ついでにまた別の調査の結果で、結論だけを書きますが、生ワクチン接種者の10年後の有効率は15%という結果がでています。
50歳以上の約150万人を対象としたコホート研究ですから、信頼性は担保されていると思います。