世の中には、眼科を受診したことがない人は意外と多いかもしれません。
昨日、人生70年間で今日が初めての眼科受診 という患者さんと出会いました。
私には緊張しているようにお見受けしませんでしたが、何で病院というところは緊張するんやろ と独り言を言われていました。
考えてみれば、私も体が丈夫な方なので、勤務医時代に外来に用があって他科の診察室に入っていく以外、あまり自分自身で色々な科を受診したことはありません。
そこで私にとっては、とても見慣れた風景の眼科の診察室ではありますが、どんなところかを少しレポートしてみたいと思います。
まず他の科と大きく違う点は、お部屋が暗めであること。
控えめに言って暗めで、病院によっては、かなり暗くしている場合もあります。
私が研修医時代を過ごした国立病院の眼科は、眼科仕様になっていなくて問診はさんさんと明るい部屋 そして診察室は隣の暗室。というとても非効率的な仕組みでした。
その暗室は、外来担当の医師二人と共有ですから、とても能率が悪く、患者さんも行ったり来たりで大変です。
二人の医師に対して、看護師さんは一人だけ。
その点今は天国のようです。医師一人に対して、大体の日は看護師さんは二人いるのですから。
患者さんの数は、もちろん病院の方が多いです。何といっても常勤医師が二人ですから。
でも私も老朽化してきたので、二人の看護師さんがいてくれて、ちょうどいい塩梅なのかもしれません。
診察室が薄暗がりなのは、細隙灯という大きな顕微鏡とでもいうべき器械を使わない事には、眼科の診察は始まらないからです。
暗い部屋の方が、患者さんの目に投げかける顕微鏡からの所見が的確にクリアーにキャッチできます。
反面。視力検査をする部屋は、明るさの約束事があるので、結構明るくなっています。
眼科は検査の種類も多く、その内容によっては、ほとんど真っ暗な部屋がいい場合もあり、検査や処置のために別の暗室もあります。
診察室は、かつての研修医時代のように部屋を移動したりしなくてもいいように、部屋の明るさをフットスイッチ一つで調整できるようになっています。
私以外の職員たち、特に検査をしてくれる視能訓練士さんや、私の周りや患者さんの周りを回遊魚のようにぐるぐる動き回ってくれる看護師さんは、勤務時間中はほとんど座っている姿を見たことはありません。
私はほとんど座っているか、たまに立ち上がる程度。立ちっぱなしの看護師さんの一人は、私と殆ど年齢が変わらないので、足が棒になってしまわないか 心配です。
でも先日患者さんに、座りっぱなしというのが、一番老化に良くないから先生も気をつけて とアドバイスをもらいました。
確かにね。だから家にいる間は、喜んで小間使いのように、ちょこまかと動き回ろうと思います。