このところ暑い日が続き、体力が落ちているせいか、眼精疲労の患者さんが増えているように思います。
眼精疲労と一口に言っても、患者さんが訴える症状は様々です。
わかりやすく目の奥が痛い 目を開けるのがつらい 長く事務仕事をしていると頭が痛くなる 肩がこる 等の症状ばかりではありません。
嘔吐を繰り返して他科を受診中だったり、通常業務ができなくなり心療内科を受診していたり 眼精疲労という言葉は気楽に使われますが、患者さんによっては深刻な事態になっていることがあります。
昨今事務作業にはパソコンがつきものですから、以前のようにVDT 症候群などという病名は、もはやあまり使われることも無くなってきました。
かつてはパソコンのでディスプレイを長時間見ることは、眼精疲労やドライアイを併発するので、企業努力として目を休める時間を一定の時間ごとに設けることが、奨励されていました。
実際に守られていたかどうかは、定かではありませんが、パソコン作業がこれほど一般化した今となっては、それでは仕事がさばききれないということになるかもしれません。
そういう環境下で仕事をしなくてはならない人に向け、製薬会社がパソコン作業での注意点をまとめていますので、それを抜粋します。
①紙に印刷されたものに比べ、解像度が劣るモニター画面を用いる作業はとても疲れやすい。
そのため解像度の高い良い画面のモニター装置を使うことが大切。
画数の多い漢字は特に画面上では見づらく、17インチ以上のモニターが望ましい。
ノート型のパソコンは画面の大きさに限界があり、長時間の作業に向いていない。
②疲れを感じる前に目を休めることが大切。
30分に1回程度は画面から目を離し、画面とは違う距離のものを見て、目を運動させる。
③通常は快適とされる窓近くの明るいデスクは、パソコン作業には逆効果。
作業場の背後に明るい窓があると、画面に景色が映り見づらくなるし、反対にパソコン画面の背後に明るい窓があると、画面の暗さとのコントラストで見えにくく疲れやすい。
一番望ましいのは、パソコンを明るい窓のそばに置かず、直接の照明を避けて、画面の明るさと作業場の明るさの差をなくす。
自宅ならいざ知らず、仕事場ではなかなか環境を整えるのも難しいことだなと思います。
治療も、眼精疲労のための点眼薬はありますが、よく眠り よく食べ 上機嫌で過ごす。
これにつきますが、もっと難しいかもしれません。