落屑症候群
落屑という言葉は、聞きなれないかもしれません。ふけ とか 垢といった組織の表面から脱落した不要物で、電顕などで成分を詳しく調べてみるとヒドロネクチン等の数種類の蛋白質が含まれています。眼科領域でもそういったものが、瞳孔の縁や、水晶体の表面 チン氏帯といったところに沈着する人がいま
一年検診
約一年前に白内障手術を受けた方が検診に来られました。手術は転居直前でしたが、無事両眼終了後、宇治に引越していかれました。引越しというより、シニアハウスに入居するためでした。時々、不定期に検診に来られますが、今回は一年たったお祝い?に来てくださいました。目の調子は問題なくとても経過
ものが二つに見えたら
ものが二つに見える、複視という症状があります。片目で見て複視が出るもの(片眼性複視)と、両目で見て複視が出るもの(両眼性複視)とがあり、原因となる病気も違います。 片眼性複視は、乱視や初期の白内障、またはこれらの組み合わせで起こるもので、必要であれば眼鏡やコンタクトレンズ、白内
感染症の勉強会
このところ、眼科の小勉強会があちらこちらで開かれます。緑内障 網膜疾患が主体ですが、割とどこでもおなじみのテーマが繰り返し取り上げられることが多く、やや斬新さに欠ける感は否めません。そのなか先日は感染症の会で、何枚かの病変のスライドが提示され、病名 治療法 薬品は抗生剤がいいか、
オルソケラトロジーと子供
前回オルソについてお書きしたところ、ご質問をいただきました。オルソを子供が受けることが可能か?ということです。前回書きましたように、オルソは酸素透過性の良いハードコンタクトレンズを夜間に装着することにより、角膜を平坦化し一時的に正視化させる治療です。ですから、角膜が柔軟な未成年者
涙のはなし〜Part 1
さて、本日は涙について話をしたいと思います。そもそも涙というものには色々な役目があります。例えば眼球の表面にある角膜や結膜は粘膜の一種なのですが、粘膜というのは皮膚とは違って乾燥には弱いため、涙にはそれを保湿するという働きがあります。また、涙の成分はただの水分ではなく、油分や粘液