眼科では、かなり頻繁に眼底検査をします。
結膜炎やものもらいで眼底検査をすることはありませんが、視力が下がる、飛蚊症が気になる等もう少し詳しく診てみようという時に、必要な検査です。
字のごとく、目の底つまり、一番奥まったところにある、網膜 硝子体をよく見るための検査ですが、白内障や緑内障の程度もよりはっきり、診断することができます。
患者さんには当たり前のように、「目の奥を見るために、ひとみを大きく開く検査で、4~5時間ぼやけますけど、大丈夫ですか?」と尋ねるのですが、たまに、目の奥ってどこ?瞳を開くってまさか器械で? 4~5時間も家に帰れない? と恐怖に満ちた目で私を見つめ返す方もおられます。
私を含め、眼科に勤務しているスタッフにとっては日常茶飯事なので、軽い説明でわかってもらえたと思いがちですが、この機会にもう一度御説明しておきたいと思います。
ひとみー瞳孔ーは、明るいところでは縮み、暗いところでは広がることにより、網膜に届く光量をコントロールしようとしますが、網膜に光をあてて病気がないかを観察したいとき、縮んでしまってはよく見ることができません。
そのために、瞳を大きくする作用のある目薬を点眼することにより、光をあてても縮まなくさせてしまいます。個人差がありますが、15~20分で瞳が開きます。
薬がきいている間は、光をあてても瞳は縮まないので、その間に、必要があれば眼底写真をとり、OCTという超音波検査をして結果を記録し、診察をします。
一般に作用時間は4~5時間ですが、診察が終わればもちろん帰宅していただいてかまいません。
自転車や徒歩であれば、ほぼ普通に。慣れた家事や人とあっておしゃべりしたりも大丈夫です。
ただ自動車やバイクの運転はスピードが出るので危険ですから無理ですし、文字の読み書き等の細かな作業もしにくくなります。
あらかじめ眼底検査の予定があるときは、なるべくその後の予定を空けて来ていただければと思います。
瞳を開く薬にアレルギーがでる方も一定の割合でおられますが、どうしても検査が必要な場合は、あらかじめアレルギーのための点眼薬を処方します。
眼底検査に限らず、心配な時には、いつでも医師やスタッフに御質問ください。