食中毒というと何となく夏に多い気がしますが、実はウイルス性の食中毒 ノロウイルスによる感染性胃腸炎 というのが冬に多発し、年間の食中毒患者数の46%がノロウイルスによるものという統計が出ています。(平成29年~令和3年の平均)
原因の1位がノロウイルスです。
ノロウイルス食中毒は、一般に11月頃から増え始め、12月~1月にピークを迎え春に向かって段々終息します。
11月~2月にノロウイルス感染症の55%が発症している。(冬以外の時も発症するということでもある。)
ノロウイルス感染者による調理によって汚染された食品からの経口感染が主経路のため、大規模な施設 例えばホテルや結婚式場 高齢者施設 等で多数の感染者が出やすく、大規模な食中毒につながりやすい。
これも同時期の統計によると、食中毒1件当たりの患者数は、ノロウイルスの場合37.8人 その他の原因の場合 9.4人 となっています。
ノロウイルスは、少ない量で多くの人を発症させますし、症状が無くなった後も通常1週間 長いと1か月ほど存在するとのことです。
潜伏期間は24時間~48時間。
消化器症状は、下痢や嘔吐などつらい症状がはっきり現れますし、その吐しゃ物等にはウイルスが多量に存在するため、2次感染予防のためにも、これからの季節は特に衛生環境に要注意。
調理前には、爪を短くして指輪を外し、石鹸でよく手を洗い、手を拭くのはタオルよりペーパータオル。
体調不良の時には、無理に調理しない方が望ましい。
ただ大量調理をするプロフェッショナルな調理人に関しては、当然のこととして、家ではそうもいかないでしょうから、調理しなくてもすぐ食べられる便利なものも少し用意しておくことは、災害時対策のみならず大切だと思います。
最近はワクチン対策が重視されていますが、コロナウイルスやインフルエンザウイルスと違い、ノロウイルスにはワクチンも治療薬もありません。
熱は一般に高くなく、消化器症状も1~2日でおさまることが多いため、水分補給と安静で回復を待つ 対症療法。
下痢止めは却って病期を長くするので、使わない方が良いという考え方もある。
乳児や高齢者は、嘔吐物による肺炎や窒息に注意。
感染しても無症状の場合や、軽い風邪のような症状のこともある。
やはりワクチンや薬が万能というわけでは無いので、自分自身に免疫力をつけることが大切なようです。