宮の前眼科で水曜日担当の草場喜一郎です。先週は涼しく過ごしやすい日々でしたが、また暑くなってきました。暑い日や涼しい日もあり、体調管理にはお気をつけ下さい。
今日は、私の専門分野の一つである、黄斑上膜についてお話しさせていただきます。
・黄斑上膜とは
目には、カメラのフィルムにあたる部分が目の底(眼底)にあります。それを網膜と呼びます。網膜は目の底の内側に張り付いた神経でできた膜で、ここで光を感じ取ります。その網膜の中心に、物体を特に鮮明にはっきりと感じる部分があり、それを黄斑といいます。黄斑上膜とはこの黄斑の上にセロファンみたいな膜ができる病気です。
・黄斑上膜の症状は?
初期には無症状ですが、進んでくると物を見る中心である黄斑上膜ができるため、膜越しで物を見ることになり視力が低下します。またこの膜が収縮することによって、網膜を引っ張り、しわをつくることがあり、物がゆがんで見えたりする場合もあります。基本的に失明することはありません。
・なぜ黄斑上膜が起こるの?
黄斑上膜ができるのには、様々な原因があるのですが、最も多い原因をあげておきます。誰でも40~60歳くらいになると眼の大部分を占める硝子体に変性が起こってきて、硝子体が網膜から離れていくのですが、この時に、黄斑に硝子体の一部が残ってしまうことがあり、これが分厚くなって黄斑上膜となるのです。 その他、外傷やぶどう膜炎(眼内に炎症があこる病気)など眼の中の炎症が原因となる場合もあります。
・治療は?
黄斑上膜は目の一番奥にできる病気なので、目薬や飲み薬では良くなったりすることはありません。手術をして黄斑上膜を取り除く以外方法はありません。ただ、黄斑上膜があれば、すぐに手術をしなければならないというわけではありません。黄斑上膜により視力低下・ゆがみなど患者様の自覚症状が強くなった時に、症状改善のため手術をします。白内障のある方は同時に白内障手術を行います。手術時間は白内障手術を行っても1時間程度で、日帰り手術が可能です。
宮の前眼科で、豊富な執刀経験をもつ網膜硝子体手術を専門医が責任もって執刀させていただきますので、ご安心ください。
また、黄斑上膜は放置しておくと網膜の一部である黄斑部に強いしわ・むくみ・あな(円孔)を作ることがありますので、手術をしない場合でも定期的な眼科受診をしていただき、黄斑上膜の状態を検査しておくことが大切です。
また、ゆがみを症状とする病気には、加齢黄斑変性や、黄斑円孔、網膜静脈閉塞症など様々な病気がありますが、病気の診断も適格に行い、治療しますので、ご安心ください。
なんでもお気軽にご相談下さい。