夏休みにダン・ブラウン著のロスト シンボルという長編サスペンスを読みました。
フリーメーソンのことなど、なかなか興味深かったのですが、その中の登場人物として、高齢の老司祭が(かなり脇役ですが)描かれています。
白内障のために視力が衰えているけれども、触覚が発達している風格のある人物という設定です。
小説の設定としてはこれでいいのですが、眼科医の私としては、早く白内障の手術を受ければいいのにと思いながら読んでしまいます。
眼科医でもない限り、眼の手術なんて怖いと思うのが、普通ということは承知しています。
ですから決意を固めるのに、時間や勇気が必要なこともよくわかります。
外来でうっかり手術の予定を入れてしまったけど、やっぱり先延ばしにしたいといいう事情も理解できます。
反面あまりに呑気で、めばちこ程度と軽く軽く考えるのも、違っています。
この人生では、貴重なものほど何かを犠牲にしないでは得られないと、私は考えているのですが、実力以上は無理としても現状よりは良くなる期待が持てる限り、勇気を出して白内障の手術を受ける選択というのは、何かを犠牲にするというほど深刻ではないのではないかと思います。
視力が下がる=白内障というわけでもありませんので、何か心配があればご相談ください。