白内障の治療法は手術以外ないのでしょうか? という質問は、最近あまり聞かなくなりました。
そして今でも白内障治療薬として保険適応のある、カリーユニ カタリンK タチオン といった点眼薬を出すことも激減しました。
水晶体の白濁が始まると、薬物治療では根本的な解決が図れないことは、もはやネットの発達した今となっては、周知の事実となったからです。
ただどうしても手術を受けたくない 今はその時ではない という方には、希望があれば処方しますが、それよりも点眼薬処方のために眼科を度々受診するよりは、年に1~2回視力と白内障の進行程度 或いはその他の病気が発症していないかの確認のために来院することの方が、時間も医療費に対しても無駄がないように思います。
それでは手術を受けるタイミングはというと、かなり個人差があります。
今まで一番印象的だった方の一人は、自宅からかなり遠方の施設に入居が決まり、生活環境が変化するので自宅にいる時のようにはいかないと判断して、今なら何とか暮らせているけれど、思い切って手術を受けることにした と言って来院された方です。
3世代同居の方でしたが、初診の時も一人で来院され、手術日も一人、術後診察も一人 そして手術後1か月ほどで、少し離れた他県の施設に引っ越していかれました。
プライベートなことは一切しゃべられませんでしたが、淡々と自立した凛々しい姿に、同性として尊敬の念に打たれました。