糖尿病性網膜症の定期検査で来院している患者さんに、針を刺さずに連続的に血糖値をいつでも測れる装置について教えて頂いことを、以前このブログでも書いたことがあります。
日本において、現時点で最先端を行っている装置で、上腕や腹部に極細の針がついているシールを貼ることによって、自動的に血糖値を数分おきに連続測定してくれます。
痛みはなく、入浴中も睡眠中も測定してくれる優れものですが、センサーを2週間ごとに交換する必要があったり、そのセンサーがそこそこ高価(数千円)という欠点があります。
その患者さんが先日来られて、また本日の血糖値を目の前で測定してくれたので(残念ながら空腹時としてはやや高め)思い出したのですが、今年の2月頃に医療テクノロジーの分野を報道するメディアで、スマートウオッチ型のウエアラブルデバイスに血糖測定機能を搭載しようという動きがあるという記事を読みました。
詳しい技術については割愛しますが、非侵襲で簡易に血糖値を測定できるまでの開発が進んでいるようです。
米国のアップルウオッチや韓国のサムスン電子のギャラクシーブランドに搭載されるのではないかといううわさや、日本のベンチャー会社のクオンタムオペレーションの、世界初の非侵襲連続測定可能な血糖測定センサーについての紹介がありました。
採血による結果に比べての精度がどれ位かなど特に日本は、厚労省の規制が厳しく、当分実用化はないかもしれませんが、今後ますます自分の身体の状態を自分で知ることができる時代になりそうです。
但しその患者さんは、糖尿病性網膜症の初期の小さな毛細血管瘤がパラパラ出始めており、大部以前から最新のデバイスを使っているにいもかかわらず、最善のコントロールとはいえないようです。
ご本人によりますと、インシュリンを4回打つ必要があるけれど、日中は仕事をしているのでインシュリンを打つことはできないとのこと。
母がインシュリンを打っていた姿を思い出すと、それもそうだと思ってしまいます。
もうすぐ定年退職なので次の診察日にはよくなっているかもしれないと、笑顔で話しておられました。
便利なデバイスさえあれば健康でいられるわけでもないし、わかっていても自分を御するのは簡単ではないのですね。