白内障手術の術前に、他科の治療薬を中止することは、ほぼありません。
ただ内服薬と白内障手術において、全く関係がないわけではありません。
その中でも特に有名な内服薬として、前立腺肥大治療薬があります。
前立腺肥大の主症状である、排尿困難 頻尿 残尿感を改善するために、前立腺や尿道の筋肉を緩める作用の内服薬を使用している方は、年齢が上がるにつれ増加します。
そのタイプの内服薬を使っている方の30~40%の発症率と言われていますが、手術の際に縮瞳してしまったり、虹彩が脱出したり、虹彩がフラフラしたり、白内障手術の妨げとなることがあります。
α1ブロッカーというタイプのお薬で、必ずしも前立腺肥大症の場合だけではなく、高血圧 統合失調症などでも処方されることがあります。
最初の術前に治療薬を中止することは無いということと、矛盾するようですが、術前に中止したとしても、術中のそういった困った現象を止めることはできません。
服用歴が長いほど発生しやすいと言われていますので、むしろそういったお薬を服用している方は、必要があれば早めに手術を済ませておく方が無難かもしれません。