去年の1月にもこの患者さんの話題を書いたのですが、その患者さんが1年半ぶりに来院されました。
去年の1月と言えば、新型コロナの流行初期で次の診察は連休頃にと言っていたのですが、それが1年遅れで達成できました。
その時には、連休頃には、もう少しこの流行もよくなっているだろうという楽観的な気分だったことを思い出します。
とても大きな体格の患者さんですので、ひときわ小柄な奥様だけでは無理で、しっかり者の娘さんも付き添って介助してくれます。
検査室での視力検査の大きな声が、診察室まで聞こえてきます。
長いお付き合いの患者さんですから、もうお声が聞こえるだけで、すぐにわかります。
本当は糖尿病があるから眼底検査もしたいことろですが、それは無理でも、白内障の術後の経過が順調であることは確かめられました。
そして律義にも、連休頃の診察に来てくださったことに嬉しい気持ちになるとともに、やはり介護を考えても、視力が改善していることは、少しでもご家族の負担を減らすことに役立つのではないかと思いました。
この患者さんの場合、両眼とも裸眼視力は0.4位ですが、両眼では0.5位は見えると思います。
0.5位みえれば、屋内であれば家族とのコミュニケーションには、問題はないでしょうし、多少離れていても、テレビなどは見ることもできるでしょう。
家族に限らず、自分の周りにいる人の顔を認識できるというのは、介護される側にとっても安心につながると思います。
もう少し欲張って考えると、手術時の患者さんの様子よりは、今回の来院時の様子は私には、認知機能は改善しているように感じました。
であれば、視力の改善がその一助になったのかもしれないと考えたいですし、そうであれば眼科医として嬉しいと思います。