東京医科歯科大学の五十嵐多恵講師が、上記と同名のペーパーを書かれています。
大きく分けて3つの提案をされています。今までにも何回かこのブログでも、子供の近視について書いていますので、重複するところもあります。
Ⅰ 十分な屋外活動
具体的には、1日120分以上の屋外活動を学校現場で確保すること。
理論的には、それにより学童の近視発症を50% 近視進行を32.9% 眼軸伸展を24.9%予防できる。
台湾ではすでに、2010年から1日2時間の屋外活動が確保されており、一定の効果を上げている。
Ⅱ 近業(近い距離で物を見ること)対策としてスマホなどの使用制限
近業と近視は関係があり、視距離が30cm以下での近業は、近視リスクを2.5倍増大させ、また30分以上の連続作業は1.8倍増大させる。
また20cm以下での近業は、優位に長い眼軸長(近視が強いほど眼軸長が長い)と関連する。
スマホなどは、最近学童期から使用することが多いが、スマホの視距離は書籍の33.7cmと比べると短く20cmをきるまでとなる。
また距離が短いのみならず、寝スマホは画面が明るいため、明暗光周期を錯乱し概日リズムを乱し、近視を増悪させる。
WHO 米国 欧州 中国各国は、政府や関連団体が電子機器使用の年齢別の具体的な制限指針を迅速に提示している。
Ⅲ 眼軸長計測
ヨーロッパや中国では母子手帳の発育曲線のように、眼軸長でリスク評価が可能な近視管理が実現しつつある。
日本では、学校検診では眼軸長計測は行われていないが、眼科における調節麻痺下での屈折値を用いることにより、近視進行のモニターをすることは可能。
将来の近視患者は、最大発症の4年前には屈折値が低下してくるため、それをモニターすることで代用できるからである。
なかなか言うは易く行うは難し ですが、できるところから着手してみたいと思います。