このところ暑さのせいか、目の周りにあせものようなブツブツができたり、目やにが増えたといった結膜炎の症状が気になって来院される高齢者の方が増えている気がします。
そういった外眼部の症状は、どちらかというと子供たちに多いのですが、自粛の影響か、御家族が連れてきて上げやすくなったからでしょうか、新しい傾向のように感じます。
ところで、そういう症状の方を診察しますと、もちろん結膜炎があるのですが、かなりの確率で、白内障もあることが多いのです。
矯正視力も0.3~0.7位でそこそこ下がっています。
こういう時、私はジレンマに陥ります。
遠回しに、最近見えにくくはないですか?とお聞きしてみますと、昔よりは大部悪くなっているけれど、特に困るわけではないと答える方が多いのです。
確かにその通りだと思います。
視力の低下をはっきり自覚していないまでも、良く見えるようになるなら是非受けたい、という気持ちがうかがえる場合は、白内障は進行が止まるわけではないのだから、元気を出して手術を受けてもらいたいと思います。
でも結膜炎さえ治ったら、それ以上は望まないという場合、そして視力が結構下がっている場合は、私は説得を試みるべきなのか、それともお互いその時の煩わしさを逃れるだけの、easy-goingな態度で点眼薬だけを処方して、お大事にと済ませてしまうのか。
誰しも手術は望まないということを考えると、強く勧めるのは気が引けることではありますが、医師としては、多少嫌がられても何歳であれかける労力(白内障手術を受けること)と得られる利益(視力がよくなる期待)を患者さんに伝えて、最新の情報をもとに判断してもらうことが大切ではないかと、思います。
そのためには、私自身が夏バテにならず、体力気力を充実させていなくてはと自戒しています。