12月5日の厚労省の先進医療会議で、ついに多焦点レンズを用いた白内障手術が、先進医療から外されることが正式に決定しました。
以前のブログでも書きましたように、以前からこの手術を先進医療に含めることについては、論議がありました。
当院を含め、かなり多数の医療機関がこの手術を行っているわけですから、もはや先進医療という名に値しないということになるわけです。
そこまではいいとして、実際にどういう影響が患者さんや医療機関にあるのかが大切だと思います。
多焦点レンズには、おおざっぱに分けて2種類あり、先進医療にかかわる手術と政府が認定するレンズと、場合によっては、それよりもさらに高性能だったとしても、政府が許可していないレンズがありました。
前者のレンズを使った場合、検査や診察 薬の費用は、健康保険が適用され、手術費用のみが自己負担となり、生命保険の先進医療特約に加入している場合は、その手術費用は保険会社が負担し給付される仕組みでした。
生命保険会社は、手術をした医療機関が厚労省の許可を受けた先進医療施設であることを確認し、書類が整えば患者さんに還付します。
一方後者のレンズを使った場合、まずレンズは個人輸入となるためキャンセルが効かずまた到着に1か月ぐらい余裕を見る必要があり、またレンズ代も認可レンズより高額なことがほとんどです。
そして先進医療特約が使えない為、このレンズを使った場合完全な自由診療となります。
宮の前眼科では、その煩雑さがあるため、今までは多焦点レンズは、認定レンズのみを扱っていました。
今後は、多焦点レンズを使った白内障手術というものが、レンズの内容を問わず保険診療となるのか、自由診療となるのか、その詳細は明らかになっていませんが、その動向を注意深く見ていきたいと思います。
確定していることは、生命保険の先進医療特約を使えるのは、令和2年の3月31日までということですから、もし希望されているなら、早めにご相談下さい。
ただし、いつも書いていますように、すべての人に多焦点レンズが向いているわけではありませんので、例え加入している人でも、単焦点レンズを選択することを勧めることも、間々あることではあります。