昨日は、伊丹市医師会の勉強会の一つで、校園医研修会という校医や園医が集まって、主に子供たちの健康を守ることをテーマにした勉強会が行われました。
医師会に所属している医師は、何らかの分科会に属していることが多いのですが、私は学校保健委員会という会に所属しており、今回は幼稚園 保育園 小学校等小児における眼科検診がいかに大切であるか、ということへの注意喚起の意味もあって、小児眼科の専門医である前沢先生に、講演していただきました。
視力の発達には、感受性の高い時期が明確にあって、0~3歳の間が最も旺盛ですが、視力測定ということになると、3歳児ぐらいにならないとなかなか難しいということになります。
そのため3歳児検診における視力測定が、とても大切になります。
伊丹市では、まもなく、来月4月の3歳児検診から、弱視発見の第一歩となる 強い遠視 乱視 近視などを数秒で測定できるスポット・ビジョン・スクリーナーという器械を導入した検診が始まります。
この器械を使うと、3歳にならなくても測定できるわけですが、視力というのはある程度自覚検査ができることが大切ですから、やはり3歳児検診での導入というのは有意義なことです。
3歳児からさらに進むにつれ、感受性は落ちますが、8~9歳ぐらいまでは弱視訓練により一定の視力に達することは期待できます。
半面それ以降になると、なかなか弱視訓練をしたとしても、視力の発達を促すことは困難です。
ですから最後の砦となるのが、就学時検診での視力検査となるわけです。
就学時検診というのは、就学に当たって学校生活に不都合がないか、不都合があれば、学校も家庭でもその子供のために、ベストの準備をしようというのが趣旨だと思います。
そしてもし弱視に気づくことができたとしたら、眼鏡を準備するだけでも、視力のキャッチアップが期待できることになります。
感受性の期間が有限であることを思うと、その数か月というのはとても大切です。
昨日の前沢先生の講演は、とてもわかりやすく主に眼科専門医以外の、小児科等他科の先生方にアピールしたいという趣旨を酌んでいただけた素晴らしい講演だったと思います。
質疑応答も活発で、いい会になったと嬉しく思いました。
小児眼科の領域はもちろんのこと、大人の斜視や、スマホ老眼等の眼精疲労で困られている方は、一度前沢先生にご相談になってはいかがでしょうか?
この領域は、眼科の中では、花形とは言えない分野ですから、意外と専門医は少なく貴重な人材と実感しました。