先日、東京で開催された学会に参加してきましたので、それにまつわる話をしたいと思います。この学会は非常に大きな学会の一つで参加者も多く、様々な分野における発表が行われています。中でも盛況に思われたのが多焦点眼内レンズについての発表で、例年に増して聴講する人が増えているような印象でした。
昔の白内障手術というのは手術自体もまだまだ不安定であり、選択できる眼内レンズもごく限られていました。しかし現在に至っては手術がより安全で短時間に行えるようになるとともに、今や手術が成功することは当たり前で、さらにより良い見え方が求められるようになっています。
そのためには特殊な眼内レンズを適切に選ぶことが大切であり、通常タイプの眼内レンズに加えて「付加価値眼内レンズ」というものが色々出ています。色つき、乱視用、非球面など様々で、それらの一つに多焦点眼内レンズがあります。ただ言えるのは「この眼内レンズがパーフェクト!」と呼べるものは残念ながらないために、それぞれの患者さんに合ったレンズを選ぶことになります。
次回はさらに多焦点について、今僕の思うところを述べたいと思います。