さて今回は眼科の夜間救急や当直をしている時、よく遭遇する病気についてのお話をしたいと思います。例えば、目の痛みが出て明日まで我慢できないような場合であったり、急に見えにくくなって明日まで放っておいたら手遅れになるのではないだろうかと思って受診される場合などが多いケースです。また本当に緊急を要する重症もあれば、次の日でも全く間に合うような軽症のものまで実に様々です。今回はまずそれらの中でも頻度の多いものについて説明したいと思います。
①「目に何らか液体が入った」例えばシャンプーや洗剤など普段目に入れてはいけないような物が入った場合ですが、まず入ったらとにかく水道水で5〜10分よく目を洗うことが最も大切です。緊急で受診が必要な重症例はというと、明らかに視力がかなり低下するばかりでなく、痛みで涙がボロボロ出て、痛くて目が開けられないのが普通です。このような場合であればよく洗うことはもちろん、すぐに救急受診することが大切です。しかし、少しボヤける程度の視力低下であったり、目が開けられる程度の痛みであればそれは重症である可能性はかなり低く、必ずしもすぐに受診する必要はないでしょう。
②「目が急に赤くなった」これには二つあって、一つは結膜下出血、もう一つは結膜充血です。何となく目の違和感があって鏡を見てみたら結膜(しろめ)が異常に赤くなっている、というケースや、他の人から目が赤いのを指摘されて気づいた、というようなケースが多く、これはほとんどが前者の結膜下出血というものです。少し痛いという方もいますが通常痛みはほぼなく、視力は全く低下しません。治療の必要はなく自然に治ってしまう病気ですので、救急受診する必要は全くありません。また充血というのは血管が拡張して蛇行している状態で、前者が赤い絵の具で塗り潰したかなような見た目であるのとは違い、血管が太くなって赤くなっているものを言います。この充血もほとんどの場合には緊急性はないですが、痛みや視力低下も同時に起こっているような場合、急性緑内障などの可能性も否定できないので、眼科の救急外来をすぐに受診して下さい。
③「目にものが入った」これも軽症から重症まで実に様々です。例えば何らか目に飛んで入ったら当然入った瞬間は痛いのは当然です。その後、痛みがとれていたりとか、わずかにゴロゴロするという程度で、かつ視力の低下がなければ様子をみてもまず大丈夫でしょう。しかし痛みがかなり強い場合で、かつ視力の低下があればすぐに受診した方がいいでしょう。
④「コンタクトトラブル」コンタクトがひっついて外れない、コンタクトが破れて一部目の中に残っている、コンタクトを外してから目がどんどん痛くなってきた、などかあります。これらは眼科医からしますと次の日でも手遅れになったりはしないのですが、角膜は知覚が敏感な部分ですので結構痛みが強く、よく受診されます。