昨日のセミナーでは、おなじみの緑内障がテーマでしたが、いかに管理が大切かという切り口で東京慈恵会医科大学の眼科教授の中野先生が講師でした。
ご存知のように、日本は赤字が累積しており、その中でも年金 医療費の支出が嵩んでいることより、政府は医療費削減のためには、予防が大切ということを近年ことさら強調しています。
それを受け、具体的な健診制度として、平成20年から特定健診が始まったようですが、こと眼科領域に関しては、かえって眼底写真を撮ることの絞り込みが厳しくなり、緑内障などの慢性病のチェックができかねないという事態になっているということでした。
最近は、OCT 視野検査 等検査機器も発達していますし、眼底検査や眼圧を調べて診察することにより、外来受診さえしてもらえれば、進行してしまう前に治療を始めることができます。
また進行の遅いタイプの緑内障もありますから、経過観察だけで、進行しないかを見張っているだけでよい場合もあります。
治療を開始した場合でもやみくもに眼圧を下げるのではなく、過去の視野検査データもふまえ統計的に分析するMDスロープのチェックをすることにより、将来の自分の寿命に負けない視機能を保てているかを確認する必要があります。
それは、適切な眼圧がキープできていなくては達成できないことですから、患者さんに合った薬の選択という医師側と、その目薬を毎日疲れていたり、眠くても何とかさし続けていこうという患者さん側とのコラボにより達成できることだと思います。
点眼治療を開始した患者さんのなんと33%が一年後には、ドロップアウトしているという統計があることを知り、大変残念に思いました。
宮の前眼科に来ている患者さんは、ぜひ途中で脱落してほしくないと切実に思います。