帯状疱疹は、高齢化に伴い増え続けています。
帯状疱疹は、子供の時に水痘にかかった時にウイルスが体の中に入って神経節に潜むことが原因です。
眼科領域でも、三叉神経の神経節に潜んだ水痘帯状疱疹ウイルスが、体力が落ちて免疫力が低下したときに活性化して、水疱を伴ったブツブツが、目の周り 頭皮にでき、 稀に角膜に傷を作ります。
80歳までに、3人に1人が発症し、50歳以上の100人に1人が一年間に発症したことが小豆島スタディーで明らかにされています。
年齢が上がるにつれ、発症率が上がり、40代の発症率を1とすると、50台で2倍 70台で3倍になるそうです。
年を重ねるにつれ、体力が落ちるのは自然の摂理ですので、高齢化とともに帯状疱疹が増えるのは理解できます。
そのことに加え、免疫抑制剤が癌や関節リウマチなどに盛んに使われるようになったことも激増の原因になっています。
ただ水痘帯状疱疹ウイルスには以前から特効薬があり、内服薬 軟膏などで治療しやすいのですが、20%ぐらいの方は頑固な痛みが続く難治性の神経痛に移行すると言われています。
水痘帯状疱疹ウイルス治療薬にも新薬が出て、今までの3回内服が1回になったり、腎毒性がなくなったりさらに使いやすくなりました。
また2016年から、日本でもワクチンによる帯状疱疹の予防が可能になりました。
生ワクチンなので、免疫抑制をきたす治療を受けている人や、免疫機能に異常がある人以外で50歳以上の方は受けることができます。ただ、10年程度で効力が切れるので、追加接種が必要なことや、本当は特に必要な免疫力が低下した人に使えないことが問題でした。
現在は免疫抑制例でも使用可能な、不活化ワクチンを申請中とのことです。
当然ですが、水痘ワクチンの2回接種を受けた現在の幼児が50年後に帯状疱疹になる確率は激減することが予想されています。