あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、最近眼科の特に硝子体手術の専門家の間では話題です。
といいましても、既に約一年前の臨床眼科学会という眼科のお祭り的な大きな学会では、既にトピックスとして取り上げられていました。
眼科の手術は、手術用の光学顕微鏡を使って覗き込んで行うために、ビデオモニターで手術の様子は観察できますが、画像の解析度は悪いため、結局術者と助手しか詳細を把握することはできません。
ところがこの、3Dヘッドアップサージェリーは、他科では一般的になりつつある、覗き込まないでモニターを使った顕微鏡下手術を眼科でも行えることを意味します。
特殊な偏光メガネをかけることにより、手術室内にいる全ての人が3Dモニターを共有できるので、研修医の教育に有用 術者の頸椎を守れる モニターの解像度が非常に優れていたり、デジタル処理をすることにより、病変の可視化がよくなり、手術の精度が上がる といった長所が挙げられています。
実際アルコン社が今年の1月より、国内販売を始めています。
3DビデオHDRカメラで撮影した映像をハイスピードで処理をして、高解像度のモニターを偏光メガネを使ってみるということは、今まで書いてきたとおりです。
ハイスピード処理の内容は、例えばデジタルフィルターを使って、カラーコントラストを調整して、症例ごとに見たい病変を強調させたり、高度な画像処理が可能なので、従来の光学顕微鏡より低光量でも手術が可能で、患者さんの眩しさや、光暴露を軽減できるとのことです。
こういう工学的な進歩にも助けられ、どんどん新しい展開が経験できる今の時代は、有難いことだと思います。
ただどんなに器械が進化しても、匠の技と人を思う心は廃れないと信じています。