ヘレン・ケラーのことは、ご存知の方も多いでしょうが、視覚と聴覚が不自由でした。
彼女が、嗅覚についてこのように述べているのを読みました。
「匂いは私を何千マイルも離れた遠い地に運んでくれたり、これまで生きた全ての年月を越えて、タイムスリップさせてくれる強力な魔法使い」
嗅覚は他の感覚とかなり違っていて、においは、大脳皮質を経ないで、記憶を支配する海馬領域や感情を支配する扁桃体に直接的に伝わるので、何かの香りを嗅ぐと昔のことがフラッシュバックする感覚があるというのは、わりと有名ですし実際に経験することも多いのではないかと思います。
でも今このことを書いていて、実際に香りをかいだわけではないのに、そういえば昔、小学生の頃家から海まで近かったので、水着を着て、浮き輪をつけて、よく遊びに行っていましたが、その時の磯の香りが、リアルに感じられます。
と同時に、母が来ていた洋服までカラーで思い出せるのですが、逆フラッシュバックとでもいうのでしょうか。
それは、嗅覚のみならず視覚にも聴覚にもあることですね。