新年度が始まり約1か月、新生活も落ち着いてきたでしょうか。学校や職場でも、健康診断の季節になりました。血圧や血糖値を心配して、急にサラダを食べ始めるお父さんも多いのではないでしょうか。
眼科の健診で一番多く指摘されるものに、“視神経乳頭陥凹拡大”があります。眼底にある視神経の形の異常で、凹みが大きく、緑内障の患者さんとよく似た形をしている、というものです。暗くした部屋で撮影した眼底写真をもとに、眼科医が判定します。近視が強い方など、実際には緑内障ではないことも多いのですが、もしも健診で視神経乳頭陥凹拡大を指摘されたら、ぜひ早めの眼科受診、視野検査をお勧めします。
緑内障とは、視神経がゆっくり障害され、徐々に視野が欠けてゆく病気です。自覚症状が出るのが末期になってからなので、最後は失明してしまうこともあるという怖い印象がありますが、早期に見つかれば、眼圧を下げる点眼薬の治療で進行を遅らせることができます。また日本人の緑内障の多くは正常眼圧緑内障であり、眼圧が正常範囲だから大丈夫、ということもありません。最近では視野検査で異常が出るよりもさらに初期の緑内障を検知するための、OCTという検査もできるようになっています。午後の診察は19時までしていますし、可能な限り受診当日に全部の検査をさせていただきます。今年の健診で視神経を指摘されたら、まず当院受診をご検討ください。(前沢義典)