今回は白内障の手術後についてお話したいと思います。まずは見え方についてです。
白内障手術が特に問題なく終了した場合、翌日ガーゼを外すと「まるで世界が変わったみたいによく見えます!」と言って下さる方は多くおられます。ですが実際には手術したすべての方がそう感じるとは断言できません。例えば、「明るくはなったけど、ボヤけて見えます」なんてことも実際には起こります。これは例えば白内障以外にも何らか視力が出にくいような病気が別にある場合や、手術によって目の中に器具を出し入れしたりすることによるダメージなどが原因になります。後者の場合、通常は徐々に見え方は改善してゆきます。
また飛蚊症と言って、視界に黒い小さな影のようなものが術後に気になることがあります。これは通常、硝子体(しょうしたい)という目の中の透明なゼリー状の部分が年齢によって濁ってくるため、それが視界の邪魔になると症状が出ます。
それから視界の外側に半月状の光や影のようなものが見えることがあります。これは白内障手術で目の中に入れた眼内レンズの端の部分で光が散乱しまうことによります。ほとんどの場合は経過とともに改善しますが、長いい人ですと2〜3ヶ月程症状が続くこともあります。