Q 過去に硝子体手術を行っている場合(特に血管との癒着している可能性がある場合)、網膜上膜の手術は避けたほうがいいでしょうか?
A 10年前に網膜剥離に対するバックリングや硝子体手術を受けておられるので、網膜上膜と血管との癒着よりも、網膜上膜と黄斑部(中心窩)との癒着が強度である可能性が高いと考えます。癒着が強度である場合の問題点には大きく分けて二つあります。一つ目は、網膜上膜を剥離する過程で黄斑円孔ができる可能性が高いこと。二つ目は、視力の回復・症状の軽快に時間が掛かる、回復・軽快度合いに限界がある場合があることです。ただし、黄斑円孔ができた場合はガス置換(剥離手術の際に経験されていると思いますが、手術終了時に目の中に気体を入れて円孔閉鎖を目指します)することにより、95%以上の確率で治癒します。放置しても自然軽快する可能性は低いので、手術を受けられて改善する可能性に挑戦する価値は十分にあるでしょう。