前回に引き続き、今回は「結膜弛緩症」の症状についてお話します。結膜の弛緩(たるみ)は目の上にも下にも起こり得ますが、ほとんどの場合は下側に起こります。そして余った結膜は下眼瞼に乗っかかってしまうので、そのあたりの「違和感」が出たり、まばたきをする度にたるみが気になって「異物感」を感じて、「目がショボショボする」といった症状が出ることがあります。また、涙は目の表面に安定して均一に広がるのが普通ですが、結膜弛緩症になってしまうとその部分の結膜は盛り上がっているため、涙が安定して広がりにくくなり、その付近は涙が乾燥して目の表面に浅い傷ができることもあります。そうなると「目が痛い」とか「目がゴロゴロする」などのドライアイ症状が出たりします。
その他に涙は目を潤した後、上下の眼瞼を伝って外から内側に流れていき、涙点という穴に流れてゆくのが通常ですが、結膜弛緩症になるとその余った結膜がこの涙の流れを邪魔してしまい、「涙がよく出る」というドライアイと全く逆の症状を引き起こすこともあります。
これを「歳のせい」と片付けてしまえばそれまでですが、適切な治療を行えば解消できることも多く、次回は治療について解説したいと思います。