国内において白内障手術は年間100万件以上行われており、眼科手術の中では最もポピュラーな手術と言えるでしょう。本日はその白内障手術における麻酔法について紹介します。そもそも手術というのは患者さまにとってはやはり怖くて苦痛なものだろうと思います。また「手術が痛いのだけは勘弁!」という方がほとんどだと思います。そこで麻酔法というのはとても重要です。
まず麻酔には全身麻酔、局所麻酔があります。全身麻酔は麻酔科の医師によって麻酔が行われ、完全に手術中は意識のない状態になりますので、手術中の痛みを抑える点については非常に有効な麻酔です。ですが、全身麻酔では挿管といって喉に管を通すので、麻酔が覚めた後には喉が痛いこともあったり、全身に深い麻酔をかけることによるリスクがいくつかあるので、麻酔科医から個別に説明を受けなくてはなりません。また麻酔の導入・覚醒に要する時間もある程度長く、ほとんどの場合は入院が必要です。これに対して局所麻酔であれば、手術中の意識はありますが、全身へのリスクはほとんどないので当院で行っているような日帰り手術も安全に行えます。
ではここから白内障手術における局所麻酔について紹介したいと思います。これには、「点眼麻酔」「テノン嚢下麻酔」「球後麻酔」「前房内麻酔」の4つの麻酔法が代表的です。平成25年の日本の眼科医へのアンケートによれば、白内障手術での麻酔法は「点眼麻酔」が最も多く、次いで「テノン嚢下麻酔」、となっています。「球後麻酔」「前房内麻酔」は少数の医師が行っている麻酔法です。これらについて、次回のブログで詳しく紹介したいと思います。