疲れた時や、疲れたと自分では思っていなくても、まぶたが短時間ピクピクとけいれんすることは、わりとよくあることだと思います。
ピクピクしたり、おさまったりを繰り返している間に、知らない間に症状が取れてしまうような場合は、眼瞼けいれんと呼ぶまでもありません。
今日お書きする眼瞼けいれんというのは、目をつむりたくないのに、目を開けられない 目を開けようとしても、自分の意志で目を開けることができない 等自然な瞬きやまぶたの開閉ができなくなる状態をさします。
自然なまぶたの開閉ができないというのは、大変不便な状態で、原因もはっきりしていません。まぶたの開閉という運動障害のみならず、目の周辺の感覚過敏と呼ぶべき、まぶしさ かわき 痛み などを伴うこともあり、原因がはっきりしていない以上、治療は困難です。
40~50歳以上に多く、女性は男性の約2.5倍といわれています。
症状の程度は、全く目を開けられない重度のものから、一見しただけではわからない軽度のものまでを含めて、30万人から50万人以上の患者さんがいると推定されています。
精神疾患を疑われて、また不眠や抑うつ 不安 といった精神症状を伴うこともあり、うつ病の治療を受けている人もいます。
眼瞼けいれん自体の根本治療は、今のところないのですが、目をつむる力を弱めることを期待して、ボトックス注射を少量、眼瞼周囲の皮膚に行うことが、眼科領域では主流の治療となっています。
治療効果は、個人差がありますが、数か月位です。
抗精神病薬が眼瞼けいれんの誘因となる場合もあるようですが、体調や精神的な負担も考えつつ総合的な判断の上で、ボトックス注射も選択肢の一つとなると考えます。
保険適応はあります。