今話題の政治家が、コミュニケーションの基本として、ミラーリングを行っていて、善意には善意を返し、敵意には敵意を返す ことにしている といったことを話されていました。
コミュニケーションというのは、一般的には相手と良い関係を結びたいと思う気持ちが根底にあると思っていたので、昔のハンムラビ法典に書かれているような目には目を歯には歯をの精神では、少なくともあまり良好な関係性を作れないのではないかと思ったのです。
目には目を歯には歯を も、本来は報復をするための掟ではなく、被害に対しての怒りはえてして受けたもの以上になりがちなので、報復をする場合は、被った被害と同等の仕返しで我慢して、それ以上の報復は慎みなさい という意味だと教わったことがあります。
この言葉は聖書の中にもでてきます。
それではこのミラーリングは、喧嘩のためのコミュニケーション法になってしまうのではないかと思い、調べてみました。
心理学の先生によると、ミラーリングというのは、ビジネスにも使える手法で、和やかな雰囲気づくりに役立つそうで、相手のしぐさや言動をまねることで、「類似性の法則」が働くことを狙うそうです。
具体的には、相手の口調やトーンや音量をまねる。 相手と同じタイミングで足を組んだり、手を組んだりする。相手と同じタイミングで飲み物を飲んだり、ページをめくったりする。
これって若向きの恋愛指南書などに、相手の好感度をアップする方法 というのに載っていそうで、微笑ましいのですが、ティーンエイジャーならいざ知らず、こんな見え透いた方法では、かえって相手に不信感を与えてしまいそうです。
注意書きとして、わざとらしくしないこと と書かれています。相手に気取られない程度に、さりげなく行動をまねることがポイント となっています。
この政治家の方が使われたミラーリング というのは、この心理学のミラーリングとはまた別のことかもしれません。
むしろ、ハンムラビ法典に近い同等報復の掟を守っている感がありますが、人とのコミュニケーションというのは、意図的に相手に取り入ろうとか、ビジネスにうまく使おうとか、倍返しだと力んだりすることによっては、良い方向に向かうことは難しいのではないかと思います。
とても良いことも発信していたのに、ちょっと台無しになってしまいそうで、もったいないことだと思います。