以前にもこのブログで書いたかもしれませんが、日本では主流の春のスギ・ヒノキ花粉症が終わっても、年中何らかの花粉症が発生します。
日本には、第2次世界大戦後にやってきたブタクサは、マッカーサーの置き土産といわれる植物で、アメリカで花粉症といえば、ブタクサが一番多いそうですし、ヨーロッパではイネ科の植物のアレルギーが多いと言われています。
こういった雑草類のアレルギーは夏から秋に多く、花粉症というより、鼻かぜと診断されることもあるようです。
ブタクサはいわゆる雑草で、どこにでも繁茂していますが、スギやヒノキのように高木ではないので、遠くまで花粉が風に乗って運ばれるということも無く、せいぜい数10メートルの範囲ですから、河川敷や畑のそばに近づかないことで、ある程度自衛できます。
地域特有のものもあり、特に六甲山周辺に多いオオバヤシャブシというカバノキ科の花粉症は、宮の前眼科のある伊丹周辺にも多いです。
ただこの木は、新興住宅地を中心に全国的に植樹されたため、六甲山系のみならず、地域的にも拡大傾向といわれています。
オリーブの木はモクセイ科で、瀬戸内地方はオリーブ栽培が盛んなため、5月下旬から6月上旬に起きる花粉症の原因として、有名です。
特にオリーブオイルの産地として有名な小豆島では、この時期のアレルギーの患者さんの25%は、オリーブの花粉症だそうです。
オリーブとカモガヤの飛散時期が重なり、両者にアレルギーの人も多いそうです。
花粉症の人が気をつけないといけないのは、口腔アレルギーで、食物アレルギーと思われていますが、実は花粉症とも関係があります。
口腔アレルギーというのは、カバノキ科やヒノキ科の花粉症の人が、リンゴや桃 サクランボ等の果物を食べた時に、口の中が痒くなったり腫れたりすることですが、両者のたんぱく質が似ているために、こういった果物を食べた時に反応してしまうことを指します。
果物を生で食べた時に限られますし、気道閉塞のような重篤な状態にはなりにくいと言われていますが、知っていると避けることができるので、花粉症のある人は、果物を食べる時に、いつも不調になるものがあるようでしたら、避けた方が無難です。