後発白内障という病名は、ちょっとまぎらわしいように思います。
白内障が再発したようにも聞こえ、患者さんによっては不安に感じる方もいると思います。
人工水晶体を入れるという発想が無かった一昔前の白内障手術では、水晶体を丸ごと摘出してしまう手術でした。
人工水晶体を入れられないので、高度近視でない限り、かなり分厚い凸レンズのメガネをかけて矯正する必要がありました。
昨今そのような手術になることは稀で、大概は水晶体の嚢を残し、その中に人工水晶体を挿入します。
そのため、術後時を経て、水晶体嚢に濁りが生じることがあり、その状態を後発白内障と呼びます。
確率的には、1年以内は約10% 数年内で約20%と言われています。
進行するにつれ、視力が低下するため、レーザーを照射して、濁った後嚢を除去する治療を行います。
手術室に入ることなく、時間的にも数分で終了します。術後の生活も特に制限なく、入浴や飲食も平常通りです。
もちろん保険適応の治療です。
術後時々眼科を受診して、視力が低下していないかチェックすると早く見つけることができます。
術後の視力低下の原因が全て後発白内障というわけではありませんので、たまに眼科受診するのも必要だと思います。