このところ各地で地震が多発しています。
今回は介助犬、特に盲導犬の避難所での受け入れについて、書いてみたいと思います。
盲導犬は、特別な訓練や教育を受け、社会ルールを守り清潔さを保つように管理されています。
ペットとは違い、視覚障害者の生活の一部となっている特別な犬であることは、多くの人に知られ、受け入れられていると考えています。
ただ、災害時に避難する非日常の場で、多くの緊張した人々の中で、共に過ごすという事態になると、やはり犬が苦手な人や、動物アレルギーのある人もいるため、お互いの配慮がどうしても求められます。
災害時避難マニュアルというものを、ほとんどの自治体は作成していますが、その中にペットの同行避難についての記載は多くありますが、盲導犬についての記載がない自治体も散見されます。
ペットの同行避難の場合、飼い主と同じ場所にいることはなく、別に場所が用意されていることがほとんどです。
盲導犬の場合、それでは意味がなく、使用者と共につまり避難者の集団の中で、過ごす必要があります。
ですからその際は、同伴避難と呼ばれますが、それについてのマニュアルがない自治体も多いということです。
宮の前眼科のある伊丹市の場合は、しっかり記載があり、盲導犬などの介助犬は、避難所内への同行は可能と書かれていて、安心しました。ペットの場合は、敷地内の屋外にペット避難所を設け、その場所で飼育し、原則屋内への持ち込みは禁止となっています。
ただし、注意すべきことは盲導犬に対して、多くの人が賢くて穏やかな犬として好感度が高いのは、有難いことですが、盲導犬が自分で色々なことを判断して視覚障害者の歩行を導いているという誤解があるのではないか、ということです。
盲導犬は、使用者の指示に従って歩行をサポートしているのであって、使用者が行ったことが無い場所については、盲導犬は使用者の歩行をサポートできません。
つまり盲導犬がいても、初めての場所については、使用者も援助が必要だということです。
周囲に人がいるかどうかの判断も、視覚障害者にとっては困難なこともあり、盲導犬がいてもその使用者に状況説明をするという、人による援助が必要です。
平常時でない時には、そういった余裕も失っていることが多いとは思いますが、そのような時にこそお互いの助け合いが必要となるのではないかと、感じた次第です。
でも災害時マニュアルに載っていない自治体も多い中、さすが伊丹市と嬉しく思いました。