眼科領域でも、極まれに悪性腫瘍の転移や原発巣の診断や眼窩骨折の確定診断のために、病院の放射線科にお世話になることがあります。
その際CTまたはMRI もしくは両方ということもあります。その両者の違いはどこにあるのかを今回はお伝えしたいと思います。
東大の予防医学センターの健康コラムにとても分かりやすい説明があったので、ちょっと拝借してここにご紹介します。
大昔からあるレントゲン検査と似ているのが、CTでX線を利用して体内の状態を断面像として描写する検査。
X線菅からX線を出しながら体を一周して撮影した像を、まるで人体を輪切りにしたように、断面や立体の画像を作りだします。
ですから、たった1枚のレントゲン写真よりは、多くの情報を与えてくれます。
X線は、柔らかなものは通り抜け、骨などの固いものは通り抜けにくいので、体のどこに固いものがあるのかが分かります。
一方MRIは、磁石と電波を利用して、体内の断面像を描写します。成人体重の6~7割は水分ですから、体内のどこにでも水分つまり水素原子があるので、その水素原子の出す信号の強弱に応じて、濃淡をつけ、体内の様子を描写します。
それぞれ長所短所がありますが、CTはX線を利用するため被爆すること 骨に囲まれている場所は画像の乱れが出やすいし、柔らかい組織の情報が得にくい点が短所ですが、検査時間が比較的短く、広範囲を検査することができること 騒音や閉塞感が無い 体内に金属が入っていても多くの場合撮影できる のが長所です。
一方MRIは、コントラストが明瞭で、病変がわかりやすい 筋肉や半月板などの柔らかい組織や骨に囲まれている部位でも画像の乱れがでにくい 造影剤を使わなくても血管を描写できるという点が長所。
短所は、検査時間が比較的長くかかる 装置が狭いので、閉所恐怖症の方には難しい 騒音が発生する 金属が体内にあると検査できない場合がある 動きに弱い。
緊急検査の際には、短時間で撮影できるCTが優先されます。