暗所支援眼鏡とは、聞きなれない名前だと思いますが、HOYA社が開発した、メディカルウエアラブル眼鏡です。
網膜色素変性症や進行した緑内障で、昼夜を問わず暗いところでの見え方に困っている患者さんのためのものです。
眼鏡といっても、頭にかぶる式の額帯鏡のようなもので、かなり大掛かりではあります。
この装置のことは、以前にもこのブログで書いたことがあるかもしれませんが、先日尼崎のロービジョンに力を入れている眼鏡店(アマガン センター店)の会長さんが、パンフレットをもってご紹介に来てくださいました。
聞くところによりますと、尼崎市では視覚障害者の支援対象機器として認められたとのことです。
残念ながら伊丹市ではまだですが、行政にも熱心に働きかけておられるようです。
このMW10は、わずか0.6ルクスの光を増幅させて、しかもカラーで撮影できる高感度の小型カメラを、その装置内に内蔵しています。
そして、コンピューター処理をして、目の前のディスプレーに投影することで、暗いところでもかなりはっきりとその映像をみることができます。
2018年に製造され、2021年にはさらに改良され、カメラレンズは標準レンズと広角レンズの2種類が使用できるようになりました。
レンズ交換をすることで、手元が見やすい標準レンズ(水平最大27度)と景観など広い範囲をとらえる広角レンズ(水平最大142度)を使い分けることができるそうです。
標準レンズは、暗い場所を歩くときや手元や夜空を見る時。
広角レンズは景色など、全体を見たいとき。
オプションとして、リモートチャット機能があり、ご家族などにMWライブ映像をリモートで送信することができるそうです。
それにより、読みにくい文字を代読してもらったり、進路のガイドをしてもらうことができるということですから、かなり便利になっています。
だいぶ端折っていますが、もしご興味があれば、直接お店に行って相談してみたり、実物を経験させてもらったりするのも、いいのではないかと思います。
このお店には、免許更新センターで使う機器類は揃っているということですから、1種免許の更新に必要な三桿法の練習もできるようです。
ロービジョンルームがあり、読み上げ読書器やルーペ類 音声血圧計など各種の補助具が展示されて、また実際に体験できるものも多くあるようです。
もちろん普通の眼鏡も販売されています。
特に宣伝を依頼されたわけではありませんが、多くのスペースを割いて、あまり売れるとは思えないものを、展示されておられるということは、素晴らしいことだと思った次第です。