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白内障・網膜硝子体・緑内障・涙道・斜視の日帰り手術専門クリニック
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さかまつげ part2 | 伊丹市の眼科|宮の前眼科|白内障手術・硝子体手術・斜視手術

さかまつげ part2

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2016/09/24担当:野宗研志
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先週はさかまつげ、特に「睫毛内反症」について説明しました。本日は「眼瞼内反症」について詳しく説明したいと思います。

 

「眼瞼内反症」

 睫毛内反症は上下に起こることがありますが、眼瞼内反症は下側にのみ起こります。(上側に起こる睫毛内反症を、広い意味で眼瞼内反症とも呼ぶこともあります。)まず下側の眼瞼を外側に向ける働きをしている組織は大きく分けて2種類あります。眼瞼には「瞼板(けんばん)」という薄い板状の部分があり、そこへ「下眼瞼牽引腱膜(かがんけんけんいんけんまく)」という筋肉が付着しています。この筋肉が適度に瞼板を下へ引っ張ることによって、下眼瞼は通常外側に向いてくれています。また目のまわりには目を閉じる働きをしている筋肉が取り囲むようにあって、これを「眼輪筋(がんりんきん)」と呼びます。この筋肉も下眼瞼に横方向の適度な緊張をもたらしているので、これも下眼瞼を外側に向くように働いています。

 よって、この「下眼瞼牽引腱膜」「眼輪筋」の2種類が正常に機能しないと、さかまつげ(眼瞼内反症)になってしまうことがあります。加齢と伴にこれらの筋力が低下してしまうと眼瞼が内側に向いてしまって、さかまつげになってしまうのです。ですから、この眼瞼内反症というのは基本的には高齢者に多い病気と言えます。(稀ですが、例えば火傷などの炎症によって組織が縮むことによって眼瞼内反症が起こることもありますが、今回それは特殊なケースとして除外して説明しています。)

 次に治療法ですが、薬物治療というのは残念ながら無理で、適切な手術をすることによって治すことが可能です。手術の方法は様々なのですが、まず弱ってしまった下眼瞼牽引腱膜のはたらきを強くするために、この筋肉を短縮する方法があります。やや大きめに切開して筋肉を確実に露出して短縮するJones変法、切開を最小限にする埋没法やIliff法などがあります。また眼輪筋を短縮することによって治すWheeler法といった術式もあります。いずれの方法でも手術の傷跡はほとんど残りませんし、まず安全な手術と言えます。