頭痛という症状は、腹痛 関節痛 のようにありふれた症状ですが、時に頭痛に眼科の症状が伴った特徴的な病気があります。
目にまつわる症状としては、目の奥に激痛が走り、充血 流涙 眼瞼下垂・浮腫 縮瞳 等ですが、そのため眼科を初診する場合があります。
三叉神経・自立神経性頭痛という分類になりますが、三叉神経の支配下にある、上の奥歯に痛みが出る場合も多く、最近読んだ月刊保団連という雑誌によると、このタイプの頭痛の患者さんの34%が歯科を受診し、その16%に抜歯が行われたという報告があったそうです。
三叉神経・自立神経性頭痛というのは、専門的な呼び名で、一般には群発頭痛、さらによく似た症状ではあるものの治療法が全く異なる発作性片側頭痛というのを聞いたことがあるかもしれません。
眼科と関係がある頭痛といえば、眼瞼下垂を来す脳動脈瘤等がまず思い浮かぶわけですが、今回は特に病気を伴わない頭痛について書いていきます。
群発頭痛と発作性片側頭痛は、症状がよく似ていますが、異なる点は、有病率が群発頭痛の方が、50~100倍多く、また男性に発症しやすい。(女性の3~7倍)
発作性片側頭痛は女性が男性の2倍多い。
群発頭痛は20~40代で初発することが多く、特徴的な点は発作の起きる時期に規則性があること。
発作が起きていない時は、全く正常だが、1~2年に一度決まった時期に起きる。(例えば2年ごとに何月に起きる等)
発作期になると、毎日平均2回 約1時間持続する激痛発作が起き、目の奥に焼きごてをあてられたようなどの表現になる程。
夜間睡眠中にも痛みで目が覚めたり、飲酒によって増悪する。
発作時、落ち着きのない、興奮した様子になる。
これらの症状は、両者に共通ではありますが、発作性片側頭痛の場合、発作時間は短く発作回数が多い傾向にあり、寛解期のない慢性発作型が多い。
一番両者の異なる点は、治療法で、群発頭痛の治療薬や高濃度酸素は発作性片側頭痛には有効ではなく、インドメタシン(インテバンSPは2019年3月に販売中止)のプロドラッグで完全寛解が得られることです。
頭痛の中でも頻度の少ないものですが、かなり治療法に違いがあり、また群発頭痛の治療も、在宅酸素療法が保険適応になったり薬物療法も日進月歩です。
日本頭痛学会のホームページに、全国の認定頭痛専門医一覧がありますから、参考になさってください。