季節ごとに多い症状に変化があります。
今年はあまりはやっていませんが、季節性のインフルエンザ等は冬に多い典型ですし、花粉症は春。
ここまで有名ではありませんが、眼科の中では、冬になると涙目の訴えが多くなります。
メガネが自分の涙ですぐ汚れるとか、自転車やバイクに乗る人は外を走ると涙がこぼれてくる 室内にいるのに人と話しているとしょっちゅう涙を拭くのが恥ずかしい等々。
重篤な病気ではないけれど、不快感がありますし、目の周りの皮膚はとても薄いので、涙の塩分によってかゆくなったり、それを拭くことによる刺激が引き金となって、接触性皮膚炎のように赤くただれてしまうこともあります。
その場合はまず外用薬で症状を抑えたうえで、涙が増えている根本的な理由を探します。
一番多いのは、丁度流しの水があふれるように、排水溝の通りが悪くなって目の中に涙が溜まってくることですが、それ以外にも排水は正常だけれど、結膜が緩んでくることにより(結膜弛緩症)排水溝に至るまでの道のりが邪魔されてしまっている。
逆に涙が増えていて排水が追い付かない状態が、花粉症や結膜炎や異物が入った時の涙目です。
排水の能率が落ちるのは、加齢ということが一番多いわけですが、抗ガン剤を使用している場合にはその副作用として出てくることも有名になってきました。
涙の排水がうまく行っているかどうかを調べるための検査があります。
麻酔をしたうえで、涙点という目頭の小さな穴から塩水(生理食塩水)を流し、のどまで通るかどうかを確認します。
注射器の先に尖っていない専用の針をつけて流します。
一見痛そうに見えますが、先は尖っていないので、痛くありません。
喉に一切来ない場合はもちろん、流し始めて大分時間が経ってからかろうじて喉に来る場合は、大部細まっているか、ほとんど詰まっているので圧をかけて検査をすると少し通るけれど、自然の状態で通っていないと思われます。
そのような場合は、涙管チューブを入れるという治療法がありますし、もっと進んでいる場合は、手術的な治療が必要になることもあります。
気が進まない方は、夏になって涙目が解消している場合は、先延ばしということもありますが、原因をはっきりさせることは有意義だと思います。