インフルエンザ罹患者数は、全国の約5000の定点医療機関から報告される人数が公表され、例年第36週(8/31~9/6)ごろから開幕となります。
今年は、現在までのところ全国的に静かで、第36週から40週まで0人と報告されています。
ただ、兵庫県医師会からは、毎週週報が医療機関に届けられ、それにはさらに詳細な数字がでますが、それによりますと、37週には全国で4名 38週にも同様に全国からの報告で4名だったということです。
去年の同時期は、37週5738人 38週5716人ということですから、今年は桁違いに少ないことがわかります。
去年がやや多かったとも言えますが、例年の数は数百人から千人程度ということですから、やはり少ないことは確かなようです。
日本の夏は、南半球では冬に当たりますから、今年の流行がどうだったかをWHOが報告していますが、やはり南半球を含め、全世界的に流行は散発的か、ほとんど発生していないようです。
またインフルエンザ以外に、夏に流行するウイルスによる夏風邪(手足口病 ヘルパンギーナ プール熱等)も国内において、ほとんど流行しませんでした。
ウイルス感染が減少した一番の理由は、国民のほとんどが、うがい 手洗い マスクを励行したこと。
そして感染症学会ではよく知られていることだそうですが、ウイルス干渉という現象によることも考えられるそうです。
ウイルス干渉とは、先にあるウイルスが流行していると、他のウイルスの感染が抑制される現象のことで、先にあるウイルスが生物に感染するとレセプターが占領されてしまい、他のウイルスが吸着できなくなるからだそうです。
既に、2016年にイエール大学から論文がでていますが、今年のCOVID-19 感染下でのインフルエンザの流行の有無というのは、良い研究のチャンスになるといわれています。
イエール大学の研究は、通年流行のライノウイルス感染症が、1~2月のインフルエンザ流行期には、減少することに着目して始められ、2種類の感染症の同時発生は、理論値の20%ほどに抑えられたということです。
このCOVID-19 という歓迎されざるウイルスが大流行になってしまったからには、そこから何かの新たな発見があり、医学の発展に結びついてほしものだと思います。
そして、恐れすぎず、油断しすぎず、落ち着いて日々送りたいですね。