日帰りでありながら両眼同時手術という例も、数の上では圧倒的に少ないながら、行っている施設もあります。
メリットとしては、通院回数が減らせるので超多忙な方や、手術室への入室自体が怖いという思いがある場合は一回で済ませられることが、メリットといえばメリットかもしれません。
ただこれを書いていながら何ですが、このことがそれほどのメリットとも思えません。
デメリットとしては、白内障手術には人工レンズを入れることを前提で度数を事前に決定していますが、同時手術の場合度数の微調整ができないということです。
最近の検査機器の精度は高く信頼性もありますが、白内障の程度が強い場合や、強い近視や遠視 乱視の場合は、予想値とずれることもあり得ます。
実際のところ片眼手術時、決定度数を変更する必要があることは滅多にありませんが、たまに患者さんの希望によってもう少し近視を減らしたいとか、もう少し近くが良く見えたいなどの場合、他眼の手術の時に微調整することは可能ですが、両眼同時手術の場合、両眼とも度数がフィットしないということもあり得ます。
感染症リスクも、ごくごく稀な出来事だとしても、ゼロではないことを思うと、私としては今のところデメリットの方が勝っていると思います。
ですから両眼同時手術については、当院では慎重でありたいと思っています。