前回に続き今回は着色眼内レンズについて解説します。この着色レンズは非着色レンズとは異なり、通常は薄い黄色が入っている眼内レンズです。可視光線には波長というものが色々あり、短い波長のものが紫や青、また長い波長のものが赤色になります。このうち特に短い波長の可視光線である紫色や青色は実は網膜にとって有害であると言われているのですが、これらをカットするものが着色眼内レンズになります。網膜に何らかの疾患がある場合、あるいはその心配があるような場合には着色眼内レンズの方がおすすめです。
またこの着色眼内レンズの他の利点としては、手術後の色合いの自然さにあります。「白が黄色っぽく見えるのではないか?」とイメージされるかもしれませんが、決してそのようなことはありませんし、前回のブログでの青視症というものもまず起こりません。さらに明るさについて非着色レンズは明るいを通り越して明るすぎる、といったことも起こりやすいですが、この着色レンズではそのようなこともまずありません。とあるデータによれば、白内障手術で着色眼内レンズを入れた場合、手術前の明るさの約1.3倍明るく、非着色眼内レンズだと約1.9倍明るいとのことです。ですから着色眼内レンズであっても十分に明るくなります。
以上のことから、当院では基本的に着色眼内レンズをほとんどの症例に選択しており、手術後もおおむね良好な結果が得られています。