涙道に関して著名な、尼崎医療センターの宮崎千歌先生の講演を昨日お聞きしました。
この所トピックスとしてよく取り上げられますので、耳にすることが多く、大切な復習になりました。
当院でもよく涙管チューブをいれますが、チューブをいれるよい適応は、上下の涙点という目頭の小さい穴から涙嚢に至るまでの細い管(涙小管)のトラブルのときで、涙嚢を含むそれより後ろのトラブルは、思い切って涙嚢鼻腔吻合術という手術を最初から受けたほうが良いというお話です。
眼科医にとっては、当たり前といえば当たり前のお話ですが、以前の涙嚢鼻腔吻合術のイメージがあまりに強烈で、眼科医自身があまり自分が受けたいものではなかったので、何とかチュービングで治らないかと思ってしまいます。
以前の涙嚢鼻腔吻合術といえば、全身麻酔で入院1週間、眼科の手術のような、耳鼻科の手術のような、眼科医としては、どちらかと言うとそれを専門にするつもりでなければ、避けたい手術でした。
ところが、専門家の宮崎先生にかかると今や、局麻でスムーズにいくと10分で終えられるそうです。症例にもよるでしょうが、涙道内視鏡や鼻腔内視鏡を駆使して以前に比べると圧倒的に負担が少なくなりました。
全く無痛というわけにはいかないですが、「出産と同じで、症状の改善の嬉しさが勝り、その痛みは忘れることができるようです。患者さんがとても喜んでくれるので、ここまで来れました。」
といわれていたのが、とても印象的でした。