白目がベッタリ赤くなるわりに、痛くも痒くもなく、でも見た目が痛々しい結膜下出血のことは、今までもこのブログに何回か登場しています。
救急車で来院された方もいましたので、初めてその状態になった方は、奇病ではないかと心配になるようです。
その詳細は、以前のブログを参照していただくとして、先日岸本葉子さんという、エッセイストの文章を読んでいて、ご自身が結膜下出血になったときのことが書かれていましたので、ご紹介します。
あまりに赤くて会う人ごとにぎょっとされるので、動転して眼科医を受診すると、大したことではないので放置するしか無いといわれます。ご本人はそれで納得できず、それでは何か予防法はとその眼科医に聞くと内科に行って下さいといわれてあまり相手にされません。
でも頻繁に出血するので、他の眼科医院を受診。
今回の眼科医は結膜の下の血管が切れるという説明までは、前医と同じだけれど、その原因について実に詳しく説明してくれたと。
その原因とは、飲酒、激しい運動、くしゃみなど「のぼせる」状況でなり、自分は、飲酒も運動も特にしないけれど、複数の人と代わる代わる挨拶をするなど精神的緊張状態が続き、顔が熱くなり、脇に大量の汗をかくなどの状況の時に出血していたので、合点がいったといいます。
それで、その眼科医に勧められてドライアイ用の点眼をすると、この半年出血がなくその眼科医に感謝しているとのこと。
乾燥すると、瞬きによる摩擦が結膜下の血管へ刺激になるからということかもしれません。
ドライアイの人に、特に結膜下出血が多いわけではないので、逆必ずしも真ならずですが、試してみても実害はないでしょうね。
先程の原因というのも、私が普段外来でお会いする患者さんの状況とは、必ずしも一致しませんので、眼科医にとっては、前医のように放っておけばいいというのも、あながちおかしな話ではないのですが、人それぞれに気になり方は違うのだから、患者さんの話を親身に聞くという姿勢は見習いたいと思いました。