さて、今回からは「網膜剥離」についてのお話をさせていただきます。前回までの「白内障」ほどメジャーな病気ではないですが、この網膜剥離も名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
網膜剥離というのは、文字通り「網膜」が「剥離」してしまう病気です。網膜というのは眼球の内側にあって、わずか1mmもない非常に薄い膜状の組織で、神経細胞が集まってできています。網膜はカメラに例えるとフィルムに相当する働きをしていて、目でとらえた映像を目に焼き付ける働きをしています。そして網膜は眼球の内側にくっついていてはじめて機能します。ですので、もし網膜剥離になってしまうと見えるはずの映像が見えなくなってしまい、適切な治療をしなければ最悪失明に至ってしまうこともある怖い病気の一つです。
それでは網膜剥離はどのようにして起こるのでしょうか。細かく説明しますと様々なパターンがあるのですが、起こりやすいものとしては二つのパターンがあります。
まず一つは近視が強い人に起こるパターン、もう一つは加齢に伴う目の組織の変化によって起こるパターンです。次回はこれらについて詳しく解説したいと思います。