さて前回に引き続き黄斑前膜についての解説です。黄斑前膜は初期のものでは自覚症状はほとんどありません。進行しますと膜がぶ厚くなっていったり、膜が縮んで網膜にシワができていったり、さらには網膜を引っ張って網膜が腫れてくるなどしてゆきます。症状としては視力の低下や物がゆがんで見える、物の大きさが違って見える、などなどです。放っておいても失明することはありませんが、通常は次第に進行していって上のような症状が強くなっていきます。稀には自然に膜が剥がれてくれて症状が改善するケースもありますが、その確率は約5パーセント未満ですので、普通は少しずつ悪くなります。そこで治療としては膜を除去する手術となります。次回は手術について詳細を解説したいと思います。