下垂体腫瘍というのは、良性の腺腫で比較的頻度の高い頭蓋内腫瘍です。
特徴的な視野欠損がでるため、脳外科から視野検査を依頼されることが多い病気でもあります。
眼科において視野欠損と言えば、緑内障を思い浮かべるわけですが、視野の欠け方やその成り立ちは、全く違います。
眼球は脳の出張所と言われることもあるように、脳内の病気の発生場所によっては、直接眼球に問題が無くても、視野が欠けたり、視力が低下したり、眼球が動かなくなったり、瞼が下がったり といったことが起こります。
逆に眼科医が視野検査をした際、典型的な緑内障の視野欠損の形ではない場合、或いは脳内病変を疑う視野検査の結果が出た場合、脳外科に診察依頼をします。
また、稀に両者が合併することもあります。
最初は典型的な緑内障の視野欠損であり、また眼圧コントロールも良好なのに、説明のつかない視野欠損が進行する場合も、頭蓋内病変の併発を疑うことになります。
緑内障患者さんにとっては、年に2回は受けざるを得ない気の進まない検査だとは思いますが、大切な検査ですので、是非甘受して頂きたいと思います。
グローバルスタンダードのハンフリー視野検査が現在の主流ですが、脳内病変を精査するためには、昔ながらの検査員がとるゴールドマン視野検査の方が向いていることもあり、必要に応じて違うタイプの検査をすることも大事だと思います。