Q 硝子体手術と白内障手術を同時に行うことを勧められましたが、白内障がないのになぜですか?
A 硝子体手術を行う50歳以上の方には、白内障がなくても同時手術を行うのが標準的です。理由は、50歳以上の方に対して硝子体手術を行った場合、白内障が進行する速度が速くなることが多いからです。ただし、60歳未満で白内障手術を同時に行わないことを希望される方には、メリット・デメリットを説明した上で、強く希望された場合や、近視の度数が強いために白内障手術を行うと左右でアンバランスになる場合などには白内障手術を同時に行わないこともあります。
Q 白内障の手術により調節能力(ピント合わせ)が失われることによる支障はありますか?
A ほぼ完全に老眼状態になりますので、遠くか中間か近くかのどこか一点には焦点が合いますが、それ以外の場所にピントを合わせるためには眼鏡が必要になります。
Q 水晶体再建術(白内障手術)を硝子体手術と同時に施行するメリットは何ですか?
A 同時施行の場合、切除できる硝子体量が多く、術前術後の飛蚊症、眼内炎リスクを軽減できます。また、網膜裂孔・黄斑円孔ができて空気置換した場合でも、楽な姿勢を取ることが可能になります。(水晶体を温存した場合は、空気が入っている約10日間、かなり厳格にうつ伏せ・俯き姿勢を維持できないとガス白内障になりますので)水晶体再建術をより安全に施行できます。(50歳以上の方に対する硝子体手術後、核硬化白内障が急速に進行する可能性が高く、硝子体がない状態での水晶体再建術は核落下の危険性が高くなります)硝子体手術により水晶体を損傷することがありません。屈折矯正術としての効果が期待でき、近視が軽くなります。
Q 水晶体再建術(白内障手術)を硝子体手術と同時に施行するデメリットは何ですか?
A 水晶体再建術を施行するとほぼ完全な老眼状態になります。また、短期的には、左右眼で明るさや色の見え方に違いがでます。
Q 白内障の手術も同時に行うとのことですが、度数の設定などはどのようになるのでしょうか?左右の視力が極端に違うのですが・・・
A 視力よりも屈折を基準に考えて眼内レンズの度数を選択することになります。屈折とは、目がどれくらい近視なのか遠視なのか、ということを意味します。