眼科のある近畿地方にも台風10号の影響で、雨がパラパラ降っています。
今のところそこまでの強さはありませんが、台風が近づくと頭痛や目の奥が痛い 気分がすぐれないといった気象病を思わせる症状の患者さんが増えます。
既に耳鼻科や内科で、気象病という病名を告げられている患者さんもいますが、多くの患者さんは何となく体がだるい とかめまいがする 目がいつにもまして疲れやすい 等の症状を言われます。
眼科の検査では、特に視力や眼圧には異常がなく、説明としては眼精疲労といったことを伝えますが、台風接近による気圧の変化が災いしている人もいるのではないか と思います。
気圧を表す単位はヘクトパスカルで、台風が発生するとこの数字をよく耳にします。平常値は1013ヘクトパスカルで、台風の中心気圧が小さいほど、勢力が強いことになります。
1ヘクトパスカル下がると、海面の高さが1センチ上昇するといわれています。
人間の体内にも水分は多く、体重の約6割といわれていますから、気圧が下がると敏感なひとは、頭痛に限らず体内の不調が発生しても不思議ではないかもしれません。
頭痛は血管が拡張して起こりますが、気圧の変化で血管が収縮と拡張を引き起こすことが、気象病時の頭痛の原因となるといわれています。
対処法として、ぬるめのお風呂にゆっくりつかる アロマをたく 首筋をマッサージする 等の記述もありますが、台風時にはそういうのんびりとした気分にもなれないでしょう。
片頭痛用の内服薬を適量のみ、気象が悪化したときに使える内服薬を専門医から処方しておいてもらう ということが災害準備の一環として必要かもしれません。
こういった症状は、気象の変化が起きるすこし前から現れますので、準備する時間的余裕はあるかもしれません。